海外に駐在していた時の話です。会社の会長である大富豪からこんなことを言われました。
「おい西村、この調子でアテンドが上手くできないようだと半年で日本に帰国してもらうからな」
海外で働くのは高校の時からの私の夢でした。
高校の時に親が離婚し、スーパーのレジ打ちをしてる母親の姿を見て
「将来どうなるかわからんな。どうなっても良いようにどこでも働ける力を身に着けたいな。」
このように感じて海外で働くことをテーマに新卒で会社に入社し、
ご縁があり海外駐在をすることになりました。
そんな経緯があったのに
大富豪のアテンドが上手くできないことを理由に
日本に帰国させられるなんてたまったものではありません。
アテンドとは車の運転から始まり
身の回りの世話であったりどこかに行く際の手配等です。
当然大富豪はロボットと一緒に居たいわけではありません。
お金は十分にあるので
あとは気の利く話し相手が欲しいわけです。
他方、オーナー企業の会長は
従業員からすると生成与奪の権利を持っているといっても過言ではありません。
これはオーナー企業で働いたことのある方なら共感できるはずです。
そんな方のアテンドをするのは慣れない私にとっては相当大変。
委縮し緊張してしまい上手くコミュニケーションがとれませんでした。
困り果ててました。
折角の夢であった海外で働くことがこんなことで中断されてしまうなんて。
そこで私の行動をよく分析してみるとコミュニケーションが上手くいっているときとそうでない時がありました。
そして上手くいくときは会話が弾んでいるときでした。
これだ!
何か会話のネタはないか考えました。
といっても手持ちのカード(ネタ)は限られます。
窮余の一策で取った行動は「新しく始めたことを話す」です。
これが想定以上に好評でした。
新しいことを人に伝えることは私が思っている以上にポジティブなことなんだなぁと実感。
思い返せば人の上に立つ人、リーダーほど新しいことを考えます。
そして新しいことを始めた事実自体は否定しようがないことです。
以降、何か会話ネタが困ったときには現在進行形で始めたことを話すことに。
不思議と相手をポジティブにできる会話ネタです。
もし目の前の相手に何を話せばいいか困った方がいる方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。