
「転職経験がない人は怖い」
転職という状況において初転職の人がこのように聞くと不条理極まりないと思います。
「定期的に必ず転職しろとでもいうのか?」
という気持ちも少なからず湧き上がるでしょう。
惚れ込んだ会社に定年まで真面目に勤め上げることは素晴らしいことです。
しかし現在の日本の多くの企業でそのような余裕がないことは申し上げるまでもないでしょう。
いずれにせよ、若手は別として、
初転職で年齢を重ねた方を面接するのは面接する側にとって少なからず怖いと感じる理由があります。
このことについて考えてみました。
リーダーシップを発揮したかわからない
転職をしたことがある人ならわかりますが、転職にはリスクがあります。
そのリスクを取ってでも優先したいことがあり、転職を決断したということは
成功か失敗かは別にして自分自身に対するリーダーシップがあります。
このリスクに対するプレッシャーは
会社で仕事をしている時のそれとは
大きく異なります。
「(良い年して)自分でイニシアチブを取って自分の人生を決めていない人が人に対してイニシアチブを取れるのかがよくわからない」
と面接官は(決して言わないけど)疑問に思うことがある、ということです。
ここでポイントなのは本人がどう思っているのかは無関係であることです。
組織に適応できるかわからない
1社で長らく同じ部署で働くとなると成長曲線はどうしても緩やかになりがちです。
転職先では多かれ少なかれ周囲へのキャッチアップが求められます。
つまり急成長が求められるといっても過言ではありません。
もちろん異動や出向経験はこのギャップを埋めることにとても役立ちます。
しかし、異動でも出向でも会社に守られていることには変わりありません。
若干でも守られた組織で別の人と仕事をすることと、
組織が全く異なる赤の他人に対してキャッチアップすることとは精神的プレッシャーが異なります。
プライド
多くの会社では新卒の社員は守られますし、育てようと思われます。
この構造こそ甘えを生み出します。
新卒で入社する会社は多くの方にとっては1社目は思い入れは深いものです。
そんな思い入れの深い企業に属する人を
中途社員という社歴の浅い人は
あまり蔑ろにはできないものです。
つまり無条件である程度の敬意が払われるものです。
新卒生え抜きが出世しやすい企業文化であれば尚更です。
もちろんこれに甘えることなく将来を見据え、
足元のことに着手している方も当然おられます。
しかし比較的少数派です。
まとめ
転職経験がないとダメなのかというと、そういうことではありません。
「今まで転職を考えたことはなかったのですか?」
に対して納得できる答えが言えれば良いのです。
そして、回答の方向性としては
「転職する機会はあったが現職でより素晴らしい仕事に巡り合った」
になるはずです。
万が一、初転職の方が面接をする時は
上記のような回答の方向性をベースとして、
ご自身でよりしっくりとくる内容に調整して
お伝えすれば良いのではないでしょうか。