転職エージェント時代の話です。
私が企業と候補者の両方を担当している案件がありました。
候補者の方はスキル的には問題なし。
しかし面談時は一時的にアルバイトで生計を立てていたこともあり 少し自信がなく、時には投げやりな態度を取られる方でした。
転職エージェントの立場からすると
「相性が良ければピッタリとハマり 活躍してくれるに違いない」
と思い推薦。
結果、企業側より「ぜひ当社に」という話に。
しかし、なぜか候補者の自信がない。
実質的には内定状態であるにも関わらず 会食面談は断り、
「内定辞退しようかな」
と言い出してました。
私としては入社してほしい。
これは押し込みではなくて候補者の意向に沿った仕事内容であり キャリア的にも候補者の将来に必ずプラスになると確信を持ってました。
しかし本人が嫌と言っている状態で企業への入社を薦める転職エージェントの言うことはその時は信用されませんでした。
私が様々な伝え方で説得し最終的には入社したものの、その時点での信頼関係はゼロ。
このような状態の中で企業ともやり取りをしていたため
「あなたはこんなに良い候補者を握れていない」
とみなされ、私は営業担当から外されました。
つまり候補者からも企業からも信用を失っている状態でした。
企業からみたら候補者は良いけどエージェントがダメ。
候補者からみても企業は良いがエージェントがダメ。
こんな風に思われてました。
1年以上経ち、私は現在の会社へ入社。
しばらくすると私の前職の会社に候補者からメールが届きました。
「おかげ様で現職で上手くいっている。 これも私を企業に紹介してくれた西村さんのおかげです。 あの時の非礼を詫びたい」
とのこと。
この方と会食したら 最初に話をした時と別人のように自身に溢れており、
「人はここまで変わるのか?」と思ったほどでした。
相手から一時的に嫌われようが 自分が良いと思ったことを信念を持ってやり抜く。
そうすれば最後には理解してくれる人が現れる。
人を変えるにはまずは自分から。
そして自分を変えるには勇気を持つこと。
そんなことを思い出させてくれる出来事でした。